美術家の集う所 その1
現在の美術家をめぐる状況を私が知る限りの事を少しばかりお話します。
彼らがその作品を発表したり、売買を委託あるいは買い上げてもらう”画廊”というものの存在があります。
バブルが破綻してからの美術を取り巻く状況をご存知の方も多いと思いますが、銀座を中心に多くの店が閉鎖、倒産し、古くからの有名な店くらいしか売買画廊は残っていないといわれています。それすらも大変な苦戦をしいられているのです。
残っている画廊というのは殆んどが貸し画廊といわれるものですが、それすらもある地域では全滅して店がラーメン屋さんになったと聞きます。都内の一等地ですが、俄かに信じられず見に行きました。全てが作り変えられたということはありませんが、確かに様変わりしており、貸し画廊も展示物がなく開店休業のような店舗もありました。特に銀座ですが、個展のオープニングパーティに顔を出しますと、見知らぬ人から名刺を頂くことが多く、見ると貸し画廊のオーナーで在ったりします。本来、その画廊からあまり歓迎される存在ではないのですが、なりふり構わぬ営業活動も仕方ないともいえます。
貸し画廊も銀座の一部を除きなかなか埋まらないようです。展覧会などは1週間単位ですが、銀座などはやはり高くて若手の作家にはとても手が出ません。
若い人は、少し街中から離れた所で、しかも個展をする費用は負担が大きいためグループ展が多く、それも2,3年に一度という状態です。なかには恵まれた人もいるのかもしれませんが。
創作意欲がありながら、その発表方法に苦労しているのです。
若手の展覧会に顔を出すことも多いのですが、客層も若く、それなりに楽しい初日だったりします。オープニングは持ち寄ったビールやワインぐらいしかありませんが、飲み物がでるだけましなパーティともいえます。それすらしないものも多いですし(勿論、目的はパーティをする事ではなく、また少しでも出資を抑えるためには、不要なものともいえます。)、なかには、会費を集め飲み物とコンサートを提供するオープニングもあります。知人の演奏家に場所を提供しお互いに助け合うという一面もあるのでしょうが。
私はお金を取ってコンサ-トをするのは考えものだと思う人ではあるのですが。下手でも、作家自身や関係者が手作りのパフォーマンスをお客さんにみせて、楽しんでもらうべきだと思います。
なかなか、日本ではまだここまではいっていませんが、作家にサービスマンとしての意識が薄いか、もしくは作品が作家の主張そのものであるため、そんな事は必要ないと思っているのか。型どうりの手順で終わるのが殆んどでしょう。
お金を掛けずにできることは、いろいろあるのですが。ただ、彼らにそんな要求をするのも酷な状況であることも事実です。
私が今後、この関係の仕事を続け、発展することができたら、作家の作品をより多くの人に知らせることはもちろん、個展なども作家と共に楽しみたいと思います。前途は多難ですけど。
次回は、私が最近関わった、おそらく極普通の個展のオープニングの様子などをレポートいたします。
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